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【説教】エチオピアの宦官の洗礼
使徒言行録8:26‐40
2021年5月2日・復活節第5主日
上野聖ヨハネ教会(欠席・朗読用)
今日の使徒言行録に登場したのはフィリポという伝道者、最初の教会の指導者のひとりです。イエスさまの12弟子の中にもフィリポがいましたが、それとは別の人物です。そのフィリポに主の天使が語りかけました。
「さて、主の天使はフィリポに、『ここをたって南に向かい、エルサレムからガザへ下(くだ)る道に行け』と言った。そこは寂しい道である。フィリポはすぐ出かけて行った。」使徒言行録8:26‐27
天使に命じられて、フィリポは遠く山道を急いで下っていきます。すると前方を馬車で行く人が目に入りました。馬車の様子やその人の服装からしてエチオピア人です。相当な地位のある人と思われます。
「折から、エチオピアの女王カンダケの高官で、女王の全財産の管理をしていたエチオピア人の宦官が、エルサレムに礼拝に来て、帰る途中であった。」8:27‐28
アフリカのエチオピアの女王に仕える高官が、エルサレムに礼拝に来て帰り道だというのです。なぜこの人がはるか遠いエチオピアからエルサレムの礼拝に来ていたのでしょうか。
非常に珍しいことですが、ひとつの例をわたしたちは知っています。30数年前、ユダのベツレヘムにイエスがお生まれになったとき、遠い東の国から博士たちがはるばる旅してきました。
遠い東の国から来た博士たちと、遠い南の国から来たエチオピアの高官との間には──わたしの想像ですが──共通点があります。それはいずれも、真理を求めていた、ということです。魂が渇いていたのです。
……