- - 【説教】主の霊がわたしの上に
- - 【説教】水をいっぱい入れなさい
- - 【尹東柱没後80年、詩碑建立30周年 尹東柱追悼式】
- - 【務安(ムアン)空港での済州航空事故によって苦しむ人々のための祈り】
- - 【説教】幼子はイエスと名付けられた
- - 【説教】彼は立って、群れを養う
- - 【説教】わたしたちのゆえに喜びの歌を歌われる神
- - 【説教】夕べになっても光がある
- - 【聖餐式の言葉 15】天におられるわたしたちの父よ(主の祈り)
- - 【聖餐式の言葉から 14】取って食べなさい
- - 【説教】見よ、その方が来られる
- - 【説教】終わりまであなたの道を
- - 【説教】牧者となられるイエス
- - 【説教】わたしを憐れんでください──バルティマイの叫び
- - 【講話】イエスが祈られた「主の祈り」
- - 【説教】背いた者のために執り成しをしたのは
- - 【説教】御自身、試練を受けて苦しまれたからこそ
- - 大韓聖公会ソウル教区 金エリヤ主教 就任の辞
- - 【説教】ねたむほどに愛される神
- - 【説教】慰め励ましてくださる神
【説教】わたしは彼をいやす
イザヤ書57:17-19
2021年7月18日・聖霊降臨後第8主日
聖光教会にて
「わたしは彼の道を見た。
わたしは彼をいやし、休ませ
慰めをもって彼を回復させよう。」イザヤ57:18
神が、ひとりの人を見つめておられます。あるいはひとりの人ではなくて集団なのかもしれないのですが、まずはひとりの人として読んでみます。
「わたしは彼の道を見た。」
「彼の道」と言われています。彼が生きてきた歩み。これまでのありよう。今の彼の現実、そして彼の内面──それらすべてを神がご覧になりました。
彼の道──この人はどういう生き方をしてきたのか。ひとつ前の17節にはっきりと書かれています。
「貪欲な彼の罪をわたしは怒り、彼を打ち、怒って姿を隠した。彼は背き続け、心のままに歩んだ。」57:17
彼は一言で言って貪欲だったのです。持っている上にさらに人からむさぼり取って、自分のために富に富を増し加える。人を苦しめ、人を貧困に追い込んでまで自分の欲を満たしていく。こういう彼のあり方に対して神は怒られました。
「貪欲な彼の罪をわたしは怒り、彼を打ち、怒って姿を隠した。」57:17
神は彼を打って懲らしめられたけれども、なお彼の貪欲はやみません。ついに神は彼を放置し、ご自身を彼から隠してしまわれました。それでも彼は「背き続け、心のままに歩んだ。」
彼は神に背きつづけ、自分の貪欲な心のままに歩んだというのです。
しかしそれから年月を経て、彼の行き着いた所はどこだったでしょうか。破滅の瀬戸際です。彼は自ら貪欲の火に身を焼かれ、疲れ果て、平安はなく、深く病んでしまいました。これまでの自分を後悔する思いは強く、嘆き苦しんでいます。けれどももはや自分から神に救いを求める力はありません。これが、彼の陥った現実です。
このような彼に対して、神さまはどうなのでしょう。かつて怒って彼から姿を隠された神は、もう彼を顧みてはくださらないのでしょうか。そうではない、というのが今日のイザヤ書です。
……