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【説教】天からのパン

出エジプト記16:2-4、9-15

2021年8月1日・聖霊降臨後第10主日
上野聖ヨハネ教会にて

 「主はモーセに言われた。『見よ、わたしはあなたたちのために、天からパンを降らせる。民は出て行って、毎日必要な分だけ集める。』出エジプト記16:4

 今日の旧約聖書は、遠い昔、イスラエルの民がエジプトを脱出して約束の地まで長い旅をしたとき、神さまが彼らにマナという食べ物を与えられたことを伝えるものでした。
 彼らが奴隷の家と呼んだエジプトからの脱出は、大きな感動と神への感謝の出来事でした。しかしそこから始まった約束の地に向けての旅は、たちまちさまざまな困難に襲われました。今日の出エジプト記第16章に描かれているのは、食べ物の不足、飢餓の危機です。

 今日の本文はこう始まっていました。
 「荒れ野に入ると、イスラエルの人々の共同体全体はモーセとアロンに向かって不平を述べ立てた。イスラエルの人々は彼らに言った。『我々はエジプトの国で、主の手にかかって、死んだ方がましだった。あのときは肉のたくさん入った鍋の前に座り、パンを腹いっぱい食べられたのに。あなたたちは我々をこの荒れ野に連れ出し、この全会衆を飢え死にさせようとしている。』」出エジプト記16:2-3

 今、イスラエルの人々全体から非難を浴びせられているモーセとアロンはどうしたらよいのでしょうか。神さまに強いられて、皆を救い出すために命をかけてここまで来たのに。
 このとき、神は人々の不平が実はご自分に向けられていることを知って、モーセにこう言われました。
 「見よ、わたしはあなたたちのために、天からパンを降らせる。民は出て行って、毎日必要な分だけ集める。わたしは、彼らがわたしの指示どおりにするかどうかを試す」。

……