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【聖書協会共同訳「詩編」の日本語について──個人的印象(2)】
前回の続きですが、これはわたしが自分の祈りのように聖書協会共同訳の詩編を用いているときに気になった箇所です。
〇詩編35:17
「わが主よ、あなたはどのように【ご覧でしょうか】。」
このような日本語はあるのでしょうか?
新共同訳は
「主よ、いつまで見ておられるのですか。」
〇詩編59:12
「我らの盾、わが主よ
彼らを殺さず
私の民が忘れることのないようにしてください。」
「忘れる」の目的語がないので、何を祈っているのかがわからなくなります。
新共同訳は
「彼らを殺してしまわないでください
御力が彼らを動揺させ屈服させることを
わたしの民が忘れることのないように。
わたしたちの盾、主よ。」
〇詩編138:1
「私は心を尽くしてあなたに感謝し
【神の前で、あなたを】ほめ歌う。」
この2行目、「神の前で、」「あなたを」と、三人称と二人称が連続していて、混乱します。「神」と「あなた」は一緒?別? いろんな訳があるようですが……。
新共同訳は
「わたしは心を尽くして感謝し
神の御前でほめ歌をうたいます。」
〇詩編139:13
「まことにあなたは私のはらわたを造り
母の胎内で私を【編み上げた】。」
「私を編み上げた」は日本語のイメージとしてすんなりと入ってきにくい。もっともヨブ記10:11に同様の表現があります。
英訳(NRSV)は
you knit me together in my mother’s womb.
新共同訳は
「あなたは、わたしの内臓を造り
母の胎内にわたしを組み立ててくださった。」