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ゼベダイの妻サロメの物語
2021/10/14
十字架にかけられた主イエスを見つめていた女の人たちの一人に「ゼベダイの子らの母」(マタイ27:56)がいます。ゼベダイの子らとは、ヤコブとヨハネのことです。可能性の域にとどまりますが、彼女の名前はサロメ(マルコ15:40)で、イエスの母マリアの姉妹(ヨハネ19:25)だったかもしれません。その場合、イエスと、ヤコブおよびヨハネは従兄弟だったことになります。もちろん確かめることはできませんが、そのような想像をしてみるのもまた興味深いことではないでしょうか。
わたしの夫はゼベダイといいます。ガリラヤ湖の漁師です。雇い人もいて、かなり大きな仕事をしており、この界隈ではよく知られていました。わたしたちにはヤコブとヨハネという二人の息子がいます。いずれも小さいときから利発で、また人への思いやりがある子どもたちでした。兄ヤコブのほうが目立つタイプで、弟はよく「ヤコブの兄弟ヨハネ」と呼ばれていました。少年の頃から二人は夫のゼベダイを助けて、雇い人たちと一緒に漁師の仕事をしていました。二人とも人の話をよく聞く、思慮のある子どもたちなのですが、正義感が強くて時折感情を爆発させるところがありました。それが心配と言えば心配でした。
成人してから、二人はあるとき、イエスという方に出会いました。夫ゼベダイが言うには、ちょうどそのとき、夫は息子たちと一緒に舟の中で網の手入れをしていたそうです。イエスが二人を呼ぶと、二人は夫と雇い人たちを残してイエスに付いて行ったとのことです(マルコ1:20)。
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