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【説教】柴は燃え尽きない──トマス・クランマーの殉教
出エジプト記3:2
2022年3月20日・大斎節第3主日
聖光教会にて
今日の旧約聖書に、モーセが燃え尽きない柴を見た、ということが記されていました。柴が燃え尽きないというのは、神の愛が燃えて燃え尽きない、ということを示しているのではないでしょうか。
今日は、神の愛に燃やされて生涯を閉じた一人のことをお話しします。それは16世紀、今からおよそ500年前に、聖公会というわたしたちの教会の土台を築いた一人、トマス・クランマーという人です。
祈祷書の12頁を開いてみると、教会暦の小祝日が記されています。その中に
「3月21日 主教トマス・クランマー(1556年カンタベリー)」
と書いてあります。明日3月21日は、トマス・クランマーの殉教の記念日です。彼は、16世紀、第69代カンタベリー大主教として英国(イングランド)の宗教改革を推進しました。クランマーの働きと死があって、わたしたちの聖公会の信仰と礼拝は基礎を据えられ、そうしてわたしたちのところまで受け継がれてきました。
トマス・クランマーの最も大きな働きは、祈祷書を編集し発行したことです(1549、1552)。それまでの礼拝はずっとラテン語で行われていて、一般の人には何が語られ何が祈られているのか理解することができませんでした。礼拝は、参加者それぞれが自分のわかる言葉で、まごころからささげてこそ礼拝です。彼が編集した英語の祈祷書によって、一部の聖職者だけではなく一般の信徒が自分の言葉で信仰生活を深めて行く道が開かれました。国王ヘンリー8世の後を継いだエドワード6世の時代です。
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