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【説教】わたしたちに与えられた憐れみの道
コロサイ3:12-17
2022年7月31日・聖霊降臨後第8主日
京都聖三一教会にて
今日の旧約聖書、使徒書、福音書を三つ心にとめてみたとき、人間の歩みうる三つの道が示されているように思います。
第一は「すべては空しい」とつぶやきつつ歩む道です。
「わたしは太陽の下(もと)に起こることをすべて見極めたが、見よ、どれもみな空しく、風を追うようなことであった。」
コヘレトの言葉1:14
ここには人生についてのなにがしかの真実があります。けれども「どれもみな空しい」というつぶやきで人生を過ごすのはもったいない。生きることには意味がある、という道を見出したいと思います。
第二の道は、今日の福音書の中に出てきた金持ちのあり方です。畑が豊作で、作物をしまっておく場所がない。そこでこう言います。
「こうしよう。倉を壊して、もっと大きいのを建て、そこに穀物や財産をみなしまい、 こう自分に言ってやるのだ。『さあ、これから先何年も生きて行くだけの蓄えができたぞ。ひと休みして、食べたり飲んだりして楽しめ』」ルカ12:18-19
彼は貪欲です。豊かなものを貧しい人と分かち合おうという気はまったくありません。彼に対して神はこう言われます。
「愚かな者よ、今夜、お前の命は取り上げられる。お前が用意した物は、いったいだれのものになるのか」ルカ12:20
この二つの道。一方の空しさのつぶやきの道と、もう一方の貪欲の道の間、その真ん中に第三の道があります。それこそがわたしたちに与えられた道、キリスト者の道です。それが今日の使徒書・コロサイの信徒への手紙に語られていました。
「あなたがたは神に選ばれ、聖なる者とされ、愛されているのですから、憐れみの心、慈愛、謙遜、柔和、寛容を身に着けなさい。」コロサイ3:12
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