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【説教】気を落とさずに絶えず祈れ
創世記32:23‐32
ルカによる福音書18:1-8
2022年10月16日・聖霊降臨後第19主日
聖光教会にて
「イエスは、気を落とさずに絶えず祈らなければならないことを教えるために、弟子たちにたとえを話された。」ルカ18:1
今日の福音書の中でイエスは言われます。
「気を落とさずに絶えず祈れ」
これを心に留めながら、先ほど朗読された旧約聖書の箇所から、ひとりの祈る人の姿、切に祈った人の姿に目を注いでみましょう。創世記第32章、遠い昔のヤコブという人の姿です。
ヤコブは、アブラハムの孫で、イサクとリベカの息子です。ヤコブは双子の弟で、兄はエサウです。ヤコブは若い日に兄エサウから長子の相続権を取り上げ、さらに神の祝福を奪い取って、エサウの憎しみを買いました。エサウの憤りは激しく、ヤコブを殺しかねないほどでした。母リベカは非常に心配して、ヤコブに、しばらく家を離れるように勧めます。ヤコブはこれに従い、母の兄、自分にとっては伯父さんにあたるラバンのもとに身を寄せました。そして20年の間そこで家畜の世話をして過ごしました。
ヤコブはラバンの娘、いとこのレアとラケルを妻とし、たくさんの子どもを授かりました。やがてヤコブは家族と家畜の群れを連れてラバンのもとから脱走し、遠い道を旅して故郷の地に戻っていきます。
故郷に帰ってくるのは、なつかしくうれしいことのはずなのですが、しかしヤコブは故郷の地に近づけば近づくほど、苦しみが増してきます。20年という長い年月を経ても、兄エサウが今も自分を憎んでいるのではないか、会えば自分を殺そうとするのではないか、という恐怖が募ってくるのです。
……