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【説教】エリコのザアカイ
ルカ 19:1-10
聖霊降臨後第21主日
2022年10月30日
京都聖三一教会にて
エリコという町にザアカイという人がいました。徴税人の頭(かしら)です。
徴税人というのは、ローマ帝国の権威のもと、人々から税金を取り立てる人です。「金持ちであった」(ルカ19:2)と記されています。おそらく彼は自分の立場を利用して、決まり以上に税金を取り立てて自分のふところを肥やしていたのでしょう。エリコは大きな町であり、そこの「徴税人の頭」ですから、おそらくは十数人あるいは数十人の配下を持ち、権勢を誇っていたのではないでしょうか。
ザアカイにはローマ帝国を後ろ盾とした権威と権力があり、蓄えてきた財産があります。しかしそれで幸せだったかというと、おそらくそうではありません。彼には信望ない。心を許せる友人や仲間がいません。人は彼を恐れ、嫌悪して避けていく。守銭奴と陰口を言われ、同胞から金を巻き上げてローマに貢ぐ売国奴ともささやかれている。孤独です。ずっと長くそうでした。
ある日、イエスという人がエリコの町に来るという話を聞きました。イエスのうわさをザアカイも聞いていました。何でもたくさんの弟子を連れてあちこちを放浪しながら「神の国」を説いていると。
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