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【説教】あなたの家を思う熱意

ヨハネによる福音書 2:13-22

2024年3月3日・大斎節第3主日

上野聖ヨハネ教会にて

 ユダヤ人の大切な祭り、過越祭が近づいたとき、イエスはエルサレムに行き、神殿の境内に入って行かれました。ここはイエスご自身にとっても大切な場所でした。

 振り返ってみますと、まず生まれて約40日後に、イエスは両親に抱かれて神殿に行き、神に献げられました。そして毎年過越祭には、ユダヤ人の習慣に従ってイエスは家族やナザレの村の人たちと一緒にエルサレム神殿に礼拝に行かれました。12歳のとき、イエスはひとり神殿の境内に残って、そこで学者たちと話をしていました。探しまわってようやくイエスを見つけた母マリアはイエスに、「どうしてこんなに心配させたの」と言いました。するとイエスはこう母に答えました。
 「どうして僕を探したの? 僕が僕のお父さんの家にいるはずだということがわからなかった?」
 エルサレム神殿は神さまの家、そして神さまは自分のほんとうのお父さん。イエスにとっては自分のお父さんである神さまの家にいるのは当然のことだったのです。

 イエスにとっても、多くの人々にとっても、神殿は神の家、祈りの家であり、神への逃れ場、神から慰めと励ましを受ける場所のはずでした。

 それから20年近くがたちました。同じ過越祭の礼拝のために、イエスは弟子たちと一緒にエルサレムに上り、神殿の境内に入って来られました。その時、イエスが見られたのは、あるまじき光景でした。祈りとは正反対の現実です。そこにあるのは喧噪と、人々の欲望の渦巻きです。神を崇めるのではなく、神を利用して自分の権威を高め、自分の利益を増し加えようとする人たちがそこを支配していました。人々の素朴な信仰を利用して、あくどい商売がなされているのです。

 イエスは乱暴な振る舞いをして、境内から商売している人々を追い出されました。その振る舞いを見ていた弟子たちに、聖書の言葉が思い浮かびました。

「あなたの家を思う熱意がわたしを食い尽くす」

……