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【聖職按手式説教】幸いな僕
── 藤井和人聖職候補生、梁權模聖職候補生の執事按手にあたって ──
ルカによる福音書 12:35-38
2024年3月23日
日本聖公会京都教区主教座聖堂(聖アグネス教会)
「主人が帰って来たとき、目を覚ましているのを見られる僕たちは幸いだ。」ルカ12:37
わたしたちの主イエスは、いつの日か必ず言われるでしょう。
「わたしの僕たちよ、あなたがたは幸いだ。わたしが言ったことを忠実に果たしてくれた。わたしの祝福を受けなさい。一緒に喜ぼう。」
いつか必ず、そのようなイエスの喜びの声、祝福の声を聞くようにと招かれたのが、今日執事按手を受けられるお二人です。その日に向かってお二人は、これまでもそうであったはずですけれども、今日から新しく信仰と奉仕の旅を始められる。ここに集まったわたしたちも、主イエスの祝福の声を聞く日を目指して、お二人と歩みを共にしたいと願います。
しばらくの時、お二人のこれまでとこれからについて、思いを馳せてみることみましょう。
昔、ガリラヤ湖でペテロとその兄弟アンデレが、魚をとる漁をしていました。そこにイエスが来られて、二人を御覧になった。イエスは彼らに「わたしについて来なさい。人間をとる漁師にしよう」(マルコ1:17)と言われました。
同じことが起こりました。今日のお二人が、それぞれ何かをしていた人生のある時点で、イエスが近づいて来られた。それぞれをイエスが見つめられた。そしてイエスは言われた。
「わたしについて来なさい。人間をとる漁師にしよう。」
迷いもためらいもあったかもしれません。しかしイエスに見つめられてしまった。イエスに呼ばれてしまった。しかも「人間をとる漁師にする」と決められてしまった。人間をとる漁師とは、神さまのために人を招く。神さまのために人をしっかり捕まえて救いへと導く、そういう働きをする人です。イエスご自身の働きを共にする人です。自分から努力してそうなるというのではなく、イエスが「あなたがたをそういう者にする」と言われたのです。
そのようなイエスの招きが、引き寄せがあったので、二人は今日まで、ここまで来られました。一人で来たのではない。様々な経緯の中で、人の祈りと支えがあって、主イエスの守りと導きがあってここまで来られたのです。
……