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【説教】わたしが生きているので、あなたがたも生きる
使徒言行録 8:26‐40
ヨハネによる福音書 14:15-21
2024年4月28日・復活節第5主日
京都聖三一教会にて
今日の聖書の中から心に刻んで持って帰りたい、持って帰ってほしい言葉があります。それは今朗読したヨハネ福音書の主イエスの言葉です。
「わたしが生きているので、あなたがたも生きることになる。」ヨハネによる福音書14:19
イエスが生きておられるので、わたしたちも生きる。イエスのゆえに、わたしたちは生きることができるのです。
「わたしが生きているので、あなたがたも生きる」
こう語られるイエスに出会った一人の人のことを今日は見つめてみましょう。それは、先ほど読まれた使徒言行録第8章に出て来たエチオピアの女王カンダケの高官で、女王の全財産の管理をしていたエチオピア人の宦官のことです。
ここのフィリポはイエスの十二弟子とは別の、最初のエルサレム教会の指導者の一人に選ばれたフィリポです。
「さて、主の天使はフィリポに、『ここをたって南に向かい、エルサレムからガザへ下る道に行け」と言った。」使徒言行録8:26
ガザです。今、イスラエル国家の攻撃によって何万人もの人が命を奪われ、恐怖と飢餓に脅かされているあのガザです。どうか正義と平和が早く実現し、ガザの人々が安心して暮らせる日が来ますようにと祈らずにはいられません。
そのガザへ下る道を、今から2000年も前のこと、エルサレムを出発したエチオピアの高官が馬車で進んでいました。彼は「エルサレムに礼拝に来て、帰る途中であった」(8:27-28)と記されています。
遠いナイル川の果てのエチオピアから、エチオピアの女王に仕える高官が、なぜエルサレムの礼拝に来たのでしょうか。これはもう想像するしかありませんが、この人は本当の神を求めていたのだと思います。いくら地位があり財産があり、権力を手にしていても、このままでは生きて行けない。本当の生きる拠り所がほしい。そういう激しい求めが、彼の中にあったのではないでしょうか。
……