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【説教】主のみ手が共にあったので──アンティオキア教会の始まり
使徒言行録 11:19-30
2024年5月5日・復活節第6主日
上野聖ヨハネ教会にて
「父がわたしを愛されたように、わたしもあなたがたを愛してきた。わたしの愛にとどまりなさい。」ヨハネ15:9
「わたしの愛にとどまりなさい」
今日の福音書の初めに聞いたこの主イエスの言葉を、わたしたちの心にとどめたい。イエスがわたしたちを愛してきたと言われるその愛のうちに、とどまりたいと願います。
このイエスの愛が人々を動かしたので、教会が誕生しました。今日の使徒言行録に記されていたシリアのアンティオキア教会もまた、このイエスの愛によって始まったのです。その様子を今日は見つめてみることにしましょう。
「ステファノの事件をきっかけにして起こった迫害のために散らされた人々は、フェニキア、キプロス、アンティオキアまで行ったが、ユダヤ人以外のだれにも御言葉を語らなかった。しかし、彼らの中にキプロス島やキレネから来た者がいて、アンティオキアへ行き、ギリシア語を話す人々にも語りかけ、主イエスについて福音を告げ知らせた。」11:19
エルサレムの教会の力ある指導者ステパノが石で打たれて殺されたことがきっかけとなって迫害が起こり、多くの信徒たちがあちこちへと散らされて行きました。その行き着いた一つがシリアのアンティオキアです。エルサレムから北の方、およそ500km離れた所で、当時のローマ帝国の中では、ローマ、アレクサンドリアにつぐ第3の大都会でした。人口は50万人を超えていたと言われます。ここに成立したアンティオキアの教会が、やがてイエス・キリストの福音を世界に広める基地の役割を果たすことになりました。パウロの3回にわたる伝道旅行は、このアンティオキア教会を出発地としたのです。
アンティオキアに行った信徒たちは、初めは同胞のユダヤ人だけにイエスのことを語っていましたが、やがてギリシア語を話す人たち、また外国人にもイエスの福音を語るようになり、信じる人の群れは大きくなっていきました。こう記されています。
「主がこの人々を助けられたので、信じて主に立ち帰った者の数は多かった。」11:21
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