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【説教】天からのパン
出エジプト記 16:2-4,9-15
ヨハネによる福音書 6:24-35
2024年8月4日・聖霊降臨後第11主日
上野聖ヨハネ教会にて
今日、聖霊降臨後第11主日の特祷でわたしたちはこう祈りました。
「どうかこの世において忠実に主に仕え、ひたすら主の約束を望み、ついにみ前に至ることができますように」
わたしたちを待っていてくださる神のみ前に至る。これが、わたしたちの人生の旅路の目的地です。
さて今日の旧約聖書は、出エジプトの民が、約束の地カナンを目指す旅の途中で、非常な困難に直面したことを語っていました。食べ物がなくなってきたのです。人々の不平は、指導者モーセとアロンに集中しました。
人々の不平を聞かれた神は、モーセにこう言われました。
「見よ、わたしはあなたたちのために、天からパンを降(ふ)らせる。民は出て行って、毎日必要な分だけ集める。わたしは、彼らがわたしの指示どおりにするかどうかを試す。」出エジプト記16:4
それで何が起こったか。13節から読んでみましょう。
「夕方になると、うずらが飛んで来て、宿営を覆い、朝には宿営の周りに露が降(お)りた。この降りた露が蒸発すると、見よ、荒れ野の地表を覆って薄くて壊れやすいものが大地の霜のように薄く残っていた。イスラエルの人々はそれを見て、これは一体何だろうと、口々に言った。彼らはそれが何であるか知らなかったからである。モーセは彼らに言った。『これこそ、主があなたたちに食物(しょくもつ)として与えられたパンである。』16:13-15
朝、起きてみると、地面、地表一面を白く霜のようなものが薄く覆っていた。「これは一体何だろう」と人々は言いました。ここのヘブライ語原文を見ると、「マン フー」と読めます。「何か、これは」「マン フー」。それでその食べ物は「マナ」と呼ばれるようになった、とも言われています。
神が民に毎朝マナを降らせて与えられた。そこには二つの意味があります。一つは、神の守り、養いです。神はマナを与えて、人々の命を保ち支えて、約束の地まで導こうとされる。
もう一つは、神による教育・訓練です。「民は出て行って、毎日必要な分だけ集める」と言われたように、マナは毎朝、その日の分をいただく。人々は毎朝、神の恵みを祈り求め、毎朝神の恵みを受けて、その経験を重ねていく。これによって信仰が、危機を乗り越える信仰が成長していきます。神が人々の信仰を育まれるのです。
神の守りも神の訓練も、いずれも神の愛から発しています。
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