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【聖餐式の言葉から 13】
このパンとぶどう酒を祝し、聖として
<感謝聖別 3>
司式者が唱える感謝聖別の祈りの中で、最も重要で欠くことのできないのは次の二つです。
(1)聖霊を求める祈り(エピクレーシス=祈求)
(2)主イエスの聖餐制定の言葉(アナムネーシス=想起)
まず「聖霊を求める祈り(エピクレーシス=祈求)」です。
これは<感謝聖別Ⅰ>では次のようになっています。
どうかみ言葉と聖霊により、主の賜物であるこのパンとぶどう酒を祝し、聖として、わたしたちのためにみ子の尊い体と血にしてください。
神の力、また命の神ご自身の現れである聖霊によって初めて、わたしたちはパンをとおしてキリストの体を受け、ぶどう酒をとおしてキリストの血をいただくことになります。
これは司式者の特殊能力によるものではありません。聖霊の働きがそれを実現してくださるのです。
<感謝聖別Ⅱ>のほうは次のようです。こちらのほうが、聖霊を祈り求める趣旨がよりはっきりしています。
まことに尊い、すべての聖なるものの源である父よ、あなたの賜物であるこのパンとぶどう酒の上に聖霊を送り、これをわたしたちのためにみ子イエス・キリストの体と血にしてください。
声を出すのは司式者だけですが、ここでは特に会衆も、司式者とともに聖霊を求めて祈ることを大切にしましょう。
聖霊を求めて祈るわたしたちの間に(この時間と空間に)、イエス・キリストが臨在してくださり、さらにパンとぶどう酒の中にご自身の存在(愛の命)を託してくださいます。
なお「エピクレーシス」ἐπίκλησις は ἐπικαλέω(エピカレオー)(呼び求める)というギリシア語の動詞から来ています。
聖餐式におけるキリストの臨在の理解に関しては種々議論がありますが、聖公会は「実体変化説」と「象徴説」の両極端を避けて、あとは各自の自由にまかされています。