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【説教】あなたこそ神の聖者
ヨハネによる福音書 6:60‐69
2024年8月25日・聖霊降臨後第14主日
京都聖三一教会にて
イエスさまの公的な活動の期間は、2年から3年と言われます。その短い時間の中で人々に与えた影響は、考えられないほど大きいものでした。ここに今日、わたしたちが集まって礼拝しているのも、そのゆえです。
けれどもその2年ないし3年のイエスさまの活動はずっと順調であったわけではありません。イエスを愛し慕う多くの人々がいる一方、反対にイエスを憎み迫害する者たちがいました。そしてその中間にこういう人たちがいます。イエスに従って来てはいるけれども、中心は自分の側にあって、自分の欲求を満たしてくれるかぎりにおいてついて来る。しかしイエスが自分の考えや期待に添わないと知れば、イエスを見限って離れ去って行く。それが今日の福音書であらわになった事態です。
今日の福音書の直前のところでイエスは、「わたしの肉はまことの食べ物、わたしの血はまことの飲み物」(ヨハネ6:55)と言われ、わたしによって生きるように、と言われました。これを聞いた弟子たちの反応から、今日の福音書は始まっています。
「ところで、弟子たちの多くの者はこれを聞いて言った。『実にひどい話だ。だれが、こんな話を聞い
ていられようか。』」ヨハネ6:60
「このために、弟子たちの多くが離れ去り、もはやイエスと共に歩まなくなった」(6:66)と記されています。
これはイエスの活動の危機でした。せっかくこれまで、祈り、教え、苦労して積み重ねてきたものが一挙に崩れ去るかのようです。しかもイエスは、離れて行く人たちをもご自分の弟子たちとして愛しておられましたから、その悲しみと失望はどれほど大きなものであったことでしょうか。もし、その場にわたしたちがいたとすればどうしたでしょうか。
イエスは残ったわずかの弟子、十二人にこう言われます。
「あなたがたも離れて行きたいか」ヨハネ6:67
シモン・ペテロが答えて言いました。
「主よ、わたしたちはだれのところへ行きましょうか。あなたは永遠の命の言葉を持っておられます。あなたこそ神の聖者であると、わたしたちは信じ、また知っています。」6:68-69
彼らはイエスのもとにとどまりました。今日はこのペテロの言葉を一つひとつ大切に聞いてみましょう。
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