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【説教】ねたむほどに愛される神
ヤコブの手紙 4:5
2024年9月22日・聖霊降臨後第18主日
京都聖三一教会にて
今日の特祷の中でわたしたちは、「あなたのみ心の思いを喜んで成し遂げることができますように」と祈りました。神が願われることを喜んで行う。そのような生き方をしたいと思います。そのために今日は、使徒書の1節に耳を傾けましょう。
ところで聖書の言葉の中には、すぐわかるような言葉もあれば、これはどういう意味だろうかというものもあります。けれども、わかりにくい言葉と時間をかけて出会うことが、やがて深いところからわたしたちを生かすことになります。柔らかい食べ物だけではなく、固い食べ物もよく噛んでしっかり食べる。それが体に必要です。聖書も同じです。
今日聞いた使徒書、ヤコブの手紙の中の一節は、その固い食べ物、難解な言葉のひとつかもしれません。
「それとも、聖書に次のように書かれているのは意味がないと思うのですか。『神はわたしたちの内に住まわせた霊を、ねたむほどに深く愛しておられる。』」ヤコブ4:5
ヤコブは聖書の引用として語っているのですが、そのようにはっきり聖書に書いてあるところは見つかりません。けれどもヤコブが神さまから聞き取った言葉としてここで語っているのですから、今日はこれに耳を傾けてみたいと思います。
実は彼がこの手紙を書いたとき、教会は危機的な状態にありました。内には争いが絶えず、富や地位を求めるこの世的な考えが支配している。貧しい人は隅っこに追いやられている。一言で言って、神さまを忘れた状態に陥っていました。その大きな間違いを示して、教会と人々の信仰を立て直したい。それがヤコブの切なる願いでした。
「神はわたしたちの内に住まわせた霊を、ねたむほどに深く愛しておられる。」
「神はわたしたちの内に住まわせた」
神さまがわたしたちの内に何かを住まわせた、宿らせた、というのです。神さまから来る何か大切な尊いもの。それがわたしたちの内に、わたしの内に住んでいる。わたしたちのうちに生きて存在している。それは何か、というと「霊」です。
神が、ご自身の大切な霊を、わたしたちの中に送り、わたしたちの内に住まわせた。わたしたちの内には、神さまからいただいた霊が、言い換えると命の息吹が、神の光が、神の愛の火が宿っている。
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