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- - 【聖餐式の言葉から 14】取って食べなさい
【説教】キリストの血によって
ヘブライ人への手紙 9:11-14
2025年4月6日・大斎節第5主日
上野聖ヨハネ教会にて
先ほど大斎節第5主日の特祷を祈りました。
「全能の神よ、み子イエス・キリストは大祭司として来られ、その血をもって至聖所に入り、ただ一たび永遠の贖(あがな)いを全うされました。どうかご自身を神に献げられたキリストの血によって、わたしたちの良心を死に至る行いから清め、あなたに仕えさせてください。主イエス・キリストによってお願いいたします。アーメン」
だいたいどの特祷もそうですが、全体は四つの部分から成り立っています。まず神への呼びかけ、二つ目は神の救いの業についての告白、三つ目は祈願、そして最後は結びです。二つ目の救いの事実の告白と、三つ目の願いが、中心的内容となっています。今日はそれを確かめていきましょう。
まず神による救いの事実の確認・告白です。「み子イエス・キリストは……」
神のみ子イエス・キリストがわたしたちのために何をしてくださったか。三つのことを表現(告白)しました。
一つ目。み子イエス・キリストは「大祭司として来られた」。
祭司、特に大祭司は神と人々の間に立って執り成し、仲介をする存在です。神の心と言葉を人々に伝え、また人々の祈りと献げ物を神に届ける。けれども現実には、祭司、大司祭も人間ですから、弱さを持っており、過ちも犯す。ひどい場合には人々の信仰を利用して、権力を振るい、人々を搾取し抑圧する。主イエスの時代の大祭司アンナス、カイアファがそうでした。
イエス・キリストは人間の祭司に代わって、本当の大祭司として来られた。わたしたちを神と結び合わせるために来られた。人々が神を知るようにし、神を経験させてくださる。またわたしたちの思いや願い、わたしたちの現実を受けとめて神さまに届けてくださる。わたしたちの祈りは神に届く。イエス・キリストをとおしてわたしたちは神さまと交流できる。そういう大祭司として来られた。
この大祭司キリストのことを詳しく語っているのが、新約聖書の中の「ヘブライ人への手紙」です。今日の特祷の内容全体は、実はヘブライ人への手紙の第9章の言葉に基づいているのです。後ほど読むことにします。
……