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【説教】イエスの墓に行った女性たち

ルカによる福音書 24:1-10

復活日・2025年4月20日
聖光教会にて

週の初めの日の明け方早く、女の人たちは準備しておいた香料を持ってイエスの墓に行きました。十字架に死んで葬られた、汚れたままのイエスのお体をせめてもきれいにしてあげなければと思ったのでしょう。

ところが女の人たちが墓に行ってみると、入り口を塞いであった石はわきに転がされており、中に入ったところイエスのご遺体がありません。途方にくれていると、輝く衣を着た二人の人──天使でしょうか──が現れました。彼女たちが恐れて地に顔を伏せると、二人は言いました。

「なぜ、生きておられる方を死者の中に捜すのか。」ルカによる福音書 24:5
 
イエスは生きておられる、と言うのです。

お墓に行ってイエスの復活を聞かされたこの女の人たちとは、どのような人たちだったのか。今日はルカ福音書が伝えるところを追ってみることにします。

イエスと同じガリラヤ出身の女の人たちが多数、イエスに従っていました。ルカ福音書第8章にはこのように書かれています。

「イエスは神の国を宣べ伝え、その福音を告げ知らせながら、町や村を巡って旅を続けられた。十二人も一緒だった。」8:1

注目したいのはその後です。

「悪霊を追い出して病気をいやしていただいた何人かの婦人たち、すなわち、七つの悪霊を追い出していただいたマグダラの女と呼ばれるマリア、ヘロデの家令クザの妻ヨハナ、それにスサンナ、そのほか多くの婦人たちも一緒であった。彼女たちは、自分の持ち物を出し合って、一行に奉仕していた。」8:2-3

これが今朝、墓に行った人たちです。イエスに従った女の人たち。マグダラのマリア、ヨハナ、スサンナ、そのほか多く女の人たちがイエスに従っていたことがわかります。

それぞれに病や苦しみ、大きな困難を抱えつつイエスと出会った人たち、イエスの語る神の国の福音に強く引きつけられてイエスについて行こうと決意した人たちです。イエスとの出会いから、彼女たちの新しい人生が始まりました。

重要なことは、彼女たちがイエスの群れの中で積極的な役割を果たしていることです。
「彼女たちは、自分の持ち物を出し合って、一行に奉仕していた。」8:2
ただイエスに救われて受け身のままだったのではなく、イエスの愛と教えに動かされて、自分の持っている物や力を提供し、喜んでイエスの一行に参加、奉仕していました。

この女の人たちは、イエスの最後のエルサレム入城に従いました。群衆はイエスを歓呼して迎えました。しかし受難の予告を聞いていた彼女たちの心は安らかではなかったでしょう。いよいよイエスが重大な危険に、はっきり言えば死に近づいておられることを感じて、一心に祈っていたに違いありません。

数日して彼女たちの心配は現実となりました。イエスは捕らえられ、死刑場に連行されて行きました。金曜日の朝のことです。彼女たちは群衆の中にまじって、イエスの姿を見つめながら、ついて行きました。ルカ福音書は彼女たちのことをはっきりと伝えています。

……