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【説教】聖霊が教えてくださる
ヨハネによる福音書 14:23-29
復活節第6主日・2025年5月25日
京都聖三一教会にて
復活節が進み、今週の木曜日は主イエスの昇天日。そして2週間後は聖霊降臨日を迎えます。それで今日の福音書には、主イエスが弟子たちに対して聖霊の約束をされた箇所が選ばれていました。
「しかし、弁護者、すなわち、父がわたしの名によってお遣わしになる聖霊が、あなたがたにすべてのことを教え、わたしが話したことをことごとく思い起こさせてくださる。」ヨハネによる福音書14:26
これは主イエスが最後の食卓で語られた言葉です。弟子たちはイエスの身にいよいよ危険が迫っているのを感じて動揺しています。イエスが自分たちから去って行かれるのを感じて不安にかられています。この時に、この弟子たちに、イエスは聖霊の約束をされたのです。
「聖霊」と聞いて、あまりなじみがないと感じられる方もおられるかもしれません。けれども、イエスはこれを言わば遺言として言われたのですから、大切に聞きましょう。
「しかし、弁護者、すなわち、父がわたしの名によってお遣わしになる聖霊が」とイエスは言われます。聖霊とは、父なる神さまがわたしたちに遣わしてくださるものです。別の箇所では「わたしが父のもとからあなたがたに遣わそうとしている弁護者」(ヨハネ15:26)とも言われます。細かい議論はともかく、聖霊は、わたしたちが考えたり作り出したり、また自分の力で獲得するものではなく、神さまから、またイエスさまからわたしたちに送られるものです。
それでは聖霊とはどのようなものか。もっと正確に言えば、どのような方か。
今の聖書では「弁護者」となっていますが、以前の口語訳、その前の文語訳でも、「助け主」と訳されていました。わたしたちを助けてくださる方なのです。困難を抱えて行き詰まる時、人生の道に迷う時、神さまがわからなくて苦しむ時、わたしたちを助けてくださる方です。
それが今の聖書ではなぜ「弁護者」と訳されるのでしょうか。誰を何から弁護するのでしょうか。もし誰かが──それは他の人であり、あるいは自分の心であり、また悪魔かもしれない──その誰かがわたしを責めて、「お前のような罪人は、お前のような不信仰な者は救われない。お前を待っているのは死と滅びであり、永遠の責め苦だ」と断罪するとします。その時、聖霊はわたしの傍らにあってわたしの味方をしてくださる。「そうではない。この人は神さまの子だ。イエスに愛されている大切な者だ。永遠の命を受ける者だ」と、聖霊はわたしに味方して、断乎としてわたしを守ってくださる。だから「弁護者」なのです。
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