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- - 【説教】愛を身に着けなさい
- - 【講演概要】主イエス・キリストよ、おいでください ─ 聖餐式の祈りを味わう ─
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- - 【説教】マルタの三つの幸い
- - 【聖餐式の祈りを味わう】
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- - 【説教】憐れみと祈りの霊を
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- - 【燃える愛の火──聖書に神の火を探る】
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- - 尹東柱「こおろぎと僕と」
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- - 【説教】サウロの回心とアナニア
- - 【説教】わたしの主、わたしの神よ
【説教】マルタの三つの幸い
北陸伝道区霊交会(合同礼拝)
聖霊降臨後第6主日・2025年7月20日
福井聖三一教会にて
「一行が歩いて行くうち、イエスはある村にお入りになった。すると、マルタという女が、イエスを家に迎え入れた。彼女にはマリアという姉妹がいた。マリアは主の足もとに座って、その話に聞き入っていた。マルタは、いろいろのもてなしのためせわしく立ち働いていたが、そばに近寄って言った。『主よ、わたしの姉妹はわたしだけにもてなしをさせていますが、何ともお思いになりませんか。手伝ってくれるようにおっしゃってください。』主はお答えになった。『マルタ、マルタ、あなたは多くのことに思い悩み、心を乱している。しかし、必要なことはただ一つだけである。マリアは良い方を選んだ。それを取り上げてはならない。』」ルカによる福音書10:38-42
マルタとマリアの話は、皆さんがよくご存じの話かと思います。だれはマルタ型だ、あるいはマリア型だと言ったりもします。またマルタについて言えば、イエスから「あなたは多くのことに思い悩み、心を乱している」と注意されたことから、マルタは否定的に見られているような印象があるかもしれません。けれどもそれだけの話なのか。むしろここには、マルタに注がれたイエスの深い愛が込められているのではないか。実はマルタは、イエスとの出会いの中で大きな祝福、幸いを経験していったのではないか。今日はそんなふうにこの話を読み返してみたいのです。
マルタの祝福、マルタの幸いと言いました。それは3つあると思います。まず聖書の書き出しを読みましょう
「一行が歩いて行くうち、イエスはある村にお入りになった。すると、マルタという女が、イエスを家に迎え入れた。」
旅するイエスの一行です。ある村というのはエルサレムの東のベタニアでしょう。そこにマルタ、マリア、ラザロの3人きょうだいの家がありました。ここでまず注意しましょう。マルタはイエスを自分の家に迎え入れました。彼女のこの積極的な行動によって、彼女自身がイエスと深く出会うとともに、妹マリアをはじめ、村の他の人々もイエスと出会うことができるようになりました。イエスを自分の家に迎え入れた。これがマルタの素晴らしいところ。彼女の第1の幸いです。
わたしたちは今日の聖餐式を「主イエス・キリストよ、おいでください」という呼びかけで始めました。マルタがイエスを迎え入れたように、わたしたちもイエスを迎え入れる祈りをもって礼拝を始めたのです。マルタは言わばわたしたちの礼拝の入り口に一緒に立って、一緒にイエスに呼びかけてくれるのです。
マルタの2つ目の幸いは、イエスが彼女の名前を1度ならず2度も呼んでくださったことです。新約聖書の中で2度も名前を呼ばれたのは、サウロ(後のパウロ)以外にありません。
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