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【説教】荒れ野の40日40夜
マタイによる福音書 4:1-11
大斎節第1主日・2026年2月22日
京都聖三一教会にて
大斎節に入りました。今日から6週間後のイースター(復活日)を目指しつつ、この時を歩んでいきましょう。主イエスの荒野での40日の試練を思い、わたしたちの生きる姿勢、信仰のあり方をあらためて整える時としたいと願います。
イエスが公の働きを開始されたのは30歳の時でした。その働きの準備と言えば、誕生から宣教活動までの30年全体が準備期間だったと言えるでしょう。けれどももっと狭く絞るならば二つです。イエスのヨルダン川での洗礼と、今日の荒野での40日の誘惑の二つがそれです。イエスがご自分の生涯を賭けて、命を献げて活動をなそうとするとき、この二つがどうしても必要だったのです。
第1の備えは洗礼でした。イエスが洗礼を受けられたとき、神の霊が降ってイエスに宿りました。神の力を受けられたのです。同時に、天から神の声が呼びかけました。「あなたはわたしの愛する子」。神の愛と力、神の命がイエスの存在と働きを根本から支える。これが第1の備えです。
そして第2の備えは、今日の福音書。荒野での悪魔の誘惑。40日40夜にわたる孤独と苦しみ。恐ろしい苦しみの中での祈りと忍耐、そしてその克服の経験です。
この二つの備えがあってはじめて、イエスの働きは実現したのです。
今日の福音書の最初を読んでみましょう。
「さて、イエスは悪魔から誘惑を受けるため、“霊”に導かれて荒れ野に行かれた。」マタイによる福音書4:1
ここで気になるのは、イエスが荒れ野に行かれたのは「悪魔から誘惑を受けるため」、そして「“霊”に導かれて」と書かれていることです。「悪魔の誘惑」と「神の霊の導き」が並んでいます。ここには二重の面があるのです。
個人的なことを言えば、わたしは今から50年前の神学生時代に神さまを見失って非常に苦しんだことがありました。その時、悪魔の誘惑、サタンの恐ろしい力というものをほんとうに感じました。イエスに襲いかかった闇の力とはこうだったかと思いました。それですから「悪魔から誘惑を受けるため」と書かれているのはわたしには非常に現実性があります。けれどももう一つ、「“霊”に導かれて」とあるのは、それほど深くは考えてきませんでした。けれども今回、これが気になったのです。
もしだれかが(自分が)この世界で真実に生きていきたいと本気で願うとすれば、葛藤が生じるでしょう。自分の中にも、そして外との間にもです。もう少し率直に言えば、世の中の力ある人たちから圧迫されたり迫害されたりすることが起こるでしょう。イエスの場合がまさにそれでした。
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