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【説教】悲しむ人々はさいわい
マタイ5:4、ヨハネの黙示録7:17
2020/11/01 諸聖徒日 逝去者記念聖餐式
上野聖ヨハネ教会墓地
♪ 神ともにいまして 行く道を守り……(聖歌522)
いま歌った聖歌によって、わたしたちはどれほどの方々を天のみ国にお送りしたことでしょうか。
今からおよそ40年前、わたしは京都下鴨から月1回、上野聖ヨハネ教会の聖餐式に来ていましたが、その頃お元気だった方の何人かはすでに天に移られました。それを思うと、懐かしさと悲しみが起こってきます。
「悲しむ人々は、幸いである、その人たちは慰められる。」マタイ5:4
イエスはそう言われました。
イエスは悲しむ人々を知っておられました。悲しむ人々の悲しみを知っておられました。
けれどもイエスはそれを知っておられただけではありません。イエスは口を開いて言われました。
「悲しむ人々は、幸いである、その人たちは慰められる。」
どうして悲しむ人々が幸いなのでしょう。それは、ほかのだれでもなく、神が慰めてくださるからです。神のみが、ほんとうに人を慰めることがおできになります。そして、神の慰めは今、イエスから溢れ出て、悲しむ人々を包みます。
「悲しむ人々は、幸いである、その人たちは慰められる。」
これは今日の福音書。わたしたちが聞くのは、新約聖書の最初の書物、マタイ福音書の初めのほうからです。そして今度は新約聖書の最後、ヨハネの黙示録の中で、わたしたちはふたたび神の慰めの言葉を聞きます。今日の使徒書の一節です。
「玉座の中央におられる小羊が彼らの牧者となり、命の水の泉へ導き、神が彼らの目から涙をことごとくぬぐわれる。」7:17
「神が彼らの目から涙をことごとくぬぐわれる。」
これがわたしたちの神さまです。
そしてその神とともに一体であるイエス・キリスト、神の小羊がここにおられます。ただおられるだけではありません。イエスは悲しむ者の「牧者となり、命の水の泉へ導」いてくださる。わたしたちを神の慰めへと導いてくださるのです。
大切な人との別れを経験したわたしたち。その地上のわたしたちも、天に招かれた人々も、すべてを神の慰めが包んでくださいます。
神さま、あなたの慰めと平安を天と地に満たしてください。わたしたちがあなたの慰めと導きを受けながら、主の道を歩むことができますように、救い主イエス・キリストによってお願いいたします。アーメン