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【説教】一粒の麦は地に落ちて─トマス・クランマーの殉教
ヨハネ12:20-33
2021年3月21日・大斎節第5主日
聖アグネス教会にて
「一粒の麦は、地に落ちて死ななければ、一粒のままである。だが、死ねば、多くの実を結ぶ。」ヨハネ12:24
主イエスは弟子たちとの別れが迫ったとき、ご自分のことをこのように言われました。このイエスに引き寄せられて、一粒の麦となって死んだ一人のことを、今日はお話しします。それは16世紀、今からおよそ500年前に、聖公会というわたしたちの教会の土台を築いたトマス・クランマーという人です。
祈祷書の12頁を開いてみると、教会暦の小祝日が記されています。その中に
「3月21日 主教トマス・クランマー(1556年カンタベリー)」
と書いてあります。今日3月21日は、トマス・クランマーの殉教の記念日です。彼は、16世紀、第69代カンタベリー大主教として英国(イングランド)の宗教改革を推進しました。クランマーの働きと死があって、聖公会の信仰と礼拝は基礎を据えられ、そうしてわたしたちのところまで受け継がれてきました。
トマス・クランマーの目に見える最も大きな働き──それは祈祷書を編集し、発行したことです(1549、1552)。それまでの礼拝はずっとラテン語で行われており、一般の人には何が語られ祈られているのか理解することができませんでした。礼拝は、参加者それぞれが自分のわかる言葉で、まごころからささげてこそ礼拝です。
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