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- - 【説教】シラ書に学ぶ信仰と知恵
- - 【講話】教会の戦争協力への反省から
- - 【論文】『基督教週報』に見る紀元節大礼拝(1939年)
- - 【聖餐式の言葉から 5】
- - 【説教】御言葉を食べたエレミヤ
- - 風が吹いて【尹東柱の詩 5】
- - 【講話】アブラハムの物語(2)
- - 【説教】主よ、わたしを憐れんでください
- - 【第8回 日本聖公会 いのちをみつめる祈りの集い】「教会の戦争協力への反省から」
- - 【聖餐式の言葉から 4】
- - 【説教】祈っておられるうちに
- - 【説教】執り成してくださる方
- - 弟の印象画【尹東柱の詩 4】
- - 【説教】種を蒔くイエス
- - 【聖餐式の言葉から 3】
- - 【説教】キリストの中に入る洗礼
- - 【聖餐式の言葉から 2】
- - 【説教】一人の従順によって
- - 【説教】鷲の翼に乗せて
【説教】神の御心を行う人こそ
マルコ3:20-35
2021年6月6日・聖霊降臨後第2主日
上野聖ヨハネ教会にて
「神の御心を行う人こそ、わたしの兄弟、姉妹、また母なのだ。」マルコ3:35
今日はこのイエスさまの言葉を心に留めたいと願います。
ところでおよそ15年前、ひとつの翻訳小説が大ベストセラーになったことがあります。ダン・ブラウンという人の『ダ・ヴィンチ・コード』という小説です。
わたしはあまりベストセラーなどに興味がないので、自分では読む気がありませんでした。ところが当時、わたしは京都復活教会の牧師兼復活幼稚園の園長をしていて、月曜日を除く毎朝、園児の出迎えをしていました。それで園児のお母さん方とも親しくなったのですが、そのうちのおひとりがとてもキリスト教に関心を持たれていて、「『ダ・ヴィンチ・コード』をどう思うか」と質問してこられました。何でもキリスト教を根本から揺さぶるような内容だということらしいのです。
それでその本を購入して読んでみました。冒頭にこう書いてありました。
「この小説における芸術作品、建築物、文書、秘密儀式に関する記述は、すべて事実に基づいている」。
小説なのに、「すべて事実に基づいている」と書いてあるものですから、まんまとだまされることになります。小説としては非常に面白い、よくできた作品だと思いました。けれどもひとつ大きなひっかかりを感じました。それは「キリスト教を根本から揺さぶる」ようなものか、という点です。
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