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日本聖公会 8.15 平和メッセージ

                      2021年8月15日

主にある兄弟姉妹の皆様へ

 

       日本聖公会首座主教    主教  ル カ   武藤 謙一
       正義と平和委員会委員長  主教 ダビデ 上原 榮正

 

    8.15 平和メッセージ

 

 主の平和が皆さまと共にありますように。

 

 2021年8月15日、わたしたちは76 回目の終戦記念日を迎えます。戦前、日本は、1931年9月、軍部が起こした南満州鉄道爆破、いわゆる柳条湖事件を契機に中国で戦争を始め、1937年に日中戦争へと突入し、太平洋戦争が終結する1945年8月まで約 15年に亘る長い戦争を経験しました。

 

 戦争では、アジア・太平洋地域で2200万人以上、日本人300万人以上の人々が犠牲となり尊い命を失いました。明治以降日本は、天皇を中心とした「大東亜共栄圏」や「八紘一宇」の思想のもと、アジア諸国を侵略し、帝国主義の道を走りました。多くの犠牲者を出し、今も人々に痛みと悲しみを与えている日本の罪は決して小さいものではありません。アジア太平洋諸国の人々に多大な犠牲と被害を与えた反省の上に、戦後の日本は平和を第一に掲げ、民主主義、基本的人権と自由を中心とした憲法を作り、憲法9条では戦争放棄を謳い、平和を遵守してきました。

 

 日本には大切な日が4つあります。6月23日・沖縄慰霊の日、8月6日・広島原爆の日、8月9日・長崎原爆の日、そして8月15日・終戦記念日です。これらの日には、戦争犠牲者の魂の平安を祈り、戦争の悲惨さ悲しみが伝えられ、平和を祈願してきました。

 

 しかし、戦後 76年、戦争体験者が少なくなった今、記憶の風化が起きています。若者たちには戦争は遠い過去の出来事になり、平和に対する考えや思いも変化しつつあります。現在の日本は、隣国との間に領土問題や歴史認識で課題を抱えており、その中で、自国防衛の名のもとに軍備強化がなされています。先の国会では「国民投票法」が改定され、3年後には憲法改定が可能になリました。このままでは憲法9条が改定され、再び戦争の渦の中に巻き込まれそうです。

 

 私たちはキリストの平和の使者です。主は、誰かの家を訪ねたなら、最初に「平安があるように」と祈ることを教えました。また、「敵を愛するように」と命じられました。 これらのみ言葉は、神さまに似せて造られた人間が、全ての人と「平和」に生きることが神さまのみ旨であることを

示しています。

 

 日本聖公会は、1995 年の宣教協議会以来、「わたしたちを平和の器にしてください」と祈ってきました。平和は、私たちの心の中から始まリます。それは、国家、民族、人種、国語、歴史、文化を超えて、差別や偏見を克服し、特に貧しい人、小さくされている人、弱い人、すべての人々と平和に歩む、祈りです。平和への歩みは、それがどんなに小さくても、そこにこそ神の御国が実現していくものであると信じます。

 

 世界に目を向ければミャンマー、パレスチナなど暴カや紛争に苦しむ人びとが多くおられます。今年もまた世界の平和を祈り、平和の器として歩む想いを新たにいたしましょう。

 キリストの平和があなたがたの心を支配するようにしなさい。

 この平和のために、あなたがたは招かれて一つの体とされたのです。(コロサイ3:15、聖書協会共同訳)

 

                           主に在りて。