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【説教】火を投ずるために

ルカ12:49

2022814日・聖霊降臨後第10主日

※大雨で礼拝中止となったため、語らなかった説教の原稿です。

 今日の福音書は不思議な言葉で始まっていました。異様な、と言ってもいいかもしれません。

「わたしが来たのは、地上に火を投ずるためである。その火が既に燃えていたらと、どんなに願っていることか。」ルカ12:49

 この言葉には、何かイエスさまの激しい思いが込められているようです。その思いにいくらかでも近づきたいと願います。

 地上に火が投じられた話が創世記にあります。アブラハムの時代、悪に満ちたソドムとゴモラの町を、神は硫黄の火を投じて滅ぼされた、と伝えられています。これは今日への警告になります。けれども、イエスが、審判の火を投じて地上を滅ぼすために来られた、と理解することはできません。

 ルカ福音書にはこんな話があります。一行があるサマリア人の村に入ったとき、村人たちはイエスを歓迎しませんでした。腹を立てた弟子のヤコブとヨハネはイエスにこう言いました。

 「主よ、お望みなら、天から火を降らせて、彼らを焼き滅ぼしましょうか」9:54

 イエスは二人を叱られました。滅ぼすことがイエスの目的ではないのです。

 また同じルカ福音書の徴税人ザアカイの話の結びで、イエスはこう言われています。「人の子は、失われたものを捜して救うために来たのである。」19:10

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